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事例

痴呆だった母の遺産がほとんどない!財産を管理していた長女が怪しい?次女にも遺産を分けてほしい。

掲載日:2013/05/10


ご相談内容
相関図

亡くなったお母さんの遺産をめぐる相談事例。お父さんはすでに他界しており、痴呆気味だったお母さんは亡くなる2~3年前からずっと入院していた。子どもは3人いたが、末っ子は相続の権利を放棄しており、実際に遺産を相続するのはお母さんの財産を管理していた長女A香と入院しているお母さんのお世話をしていた次女B代の2人ということになった。お母さんは生前よく「長女A香が私のお金を使っている」と次女B代に打ち明けていたが、次女B代は「そんなことないよ。お姉ちゃんはちゃんとしてくれてるから大丈夫」と受け流していた。ところが、いざお母さんが亡くなり、財産を調べてみると、8000万円くらいあるはずなのに2000万円しか残っていないことが発覚。長女A香に尋ねても「お母さんの医療費で必要だった」の1点張り。不審に思った次女代Bが弁護士のもとに相談に来られた。


下

相続の専門家はどのようにして解決したのか?

この事例では、子どもが3人いますが、1人が相続を放棄しているので、法律上の相続人は2人となります。すでに他界されていたお父さんからの相続で、お母さんはかなりの財産を持っていたはずですが、亡くなられた時には2000万円しか残っておらず、6000万円ほど減っていることが分かりました。医療費にしては減り方がおかしいということで、不当利得(不法行為)ではないかと仮説を立て、調査を開始しました。

・お母さんの口座のお金の動き(日時、金額)
・長女Aの口座のお金の動き(日時、金額)

長女Aはお母さんが存命中の頃から、日常的にお母さんの口座からお金を引き出していました。しかしそのやり方がかなり巧みで、お母さん名義の複数の銀行口座に移し替えたり、その途中で自分の口座に入金したりと、何に使ったのか特定できないような少額の出し入れを長期にわたって繰り返していたのです。

長女Aの息子がなぜか分不相応な家を建てたりと、あきらかにおかしな点があったにもかかわらず、この目くらまし作戦により、「長女Aはお母さんの財産を使っていたことに間違いはないが、それが私的なものとは特定できない」ということになり、一審では1000万円の返還命令に留まりました。

もちろんそれを不服として高等裁判所でも争いましたが、覆ることはなく逆に200万円の返還命令に下がってしまったのです。立証責任がこちら側にあるとはいえ、つらい結末となりました。

このケースから得られる教訓はただ1つ。「お母さんが存命中に相談に来れば結果は違うものになっていた」ということです。お母さんが「自分のお金を使い込まれている」と訴えかけた時が、相談するタイミングだったのです。

特に痴呆をお持ちの方は、時間が経つにつれて、自分の思いを伝えることが困難になります。そういう意味でも、出来るだけ早い段階で弁護士に相談すべきでしょう。また、存命中の使い込みは、死後に意図的に引き出すことと比べ、誰のために使ったのかが判断しづらいため、その後の立証が困難です。

あなたの身の回りで「変だな?」と不審に思う動きがあったら、早め早めの相談をおすすめいたします。

ポイント
・被相続人となる方が生きているうちに弁護士に相談しよう
・痴呆や認知症をお持ちの方は、話せるうちに弁護士に相談しよう

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